昔の私は、離婚なんて考えていませんでした。
結婚した以上、最後まで添い遂げるものだと思っていました。
子どもたちのためにも、家庭を守るのが母親の役目だと思っていました。
だから多少の不満や我慢は当たり前。
みんなそうやって暮らしているんだと思っていました。
でも気がつけば、私はずっと我慢していました。
夫の機嫌をうかがうこと。
怒鳴られないように気をつけること。
子どもたちが傷つかないように間に入ること。
それが日常になっていました。
ある日、ふと思ったんです。
私はいつから、自分の気持ちを後回しにするようになったんだろう。
私はいつから、自分が何をしたいのか分からなくなったんだろう。
そんなことを考えるようになりました。
子どもたちが小さい頃は必死でした。
学校のこと。
部活のこと。
進路のこと。
毎日を回すだけで精一杯でした。
でも子どもたちが大きくなり、少しずつ手が離れてきた今、自分自身の人生が見えるようになってきました。
あと何年働くんだろう。
あと何年元気でいられるんだろう。
私はこのままの人生で、本当に後悔しないんだろうか。
離婚したいと思う一番の理由は、夫が嫌いだからではありません。
もちろん腹が立つことはあります。
許せないこともあります。
でもそれだけではありません。
私はただ、穏やかに暮らしたいのです。
家の中で誰かの機嫌を気にせずに。
怒鳴り声に怯えずに。
静かな気持ちでご飯を食べて、眠って、朝を迎えたい。
そんな当たり前の生活をしてみたいのです。
最近になって気づきました。
離婚を考えるということは、夫から逃げたいということではなく、自分の人生を取り戻したいということなのかもしれません。
50歳を前にして、ようやくそんなことを考えるようになりました。
まだ答えは出ていません。
離婚するかもしれないし、しないかもしれない。
不安もあります。
お金の問題もあります。
子どもたちのこともあります。
それでも一つだけ分かっていることがあります。
これから先の人生を、自分自身が納得して生きたい。
誰かの機嫌ではなく、自分の心を大切にしながら生きたい。
そう思うようになったことは、私にとって大きな変化でした。

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