一度だけの体外受精 そして授かった命

人工授精を7回続けても、妊娠することはできませんでした。

もう十分頑張った。

そんな気持ちもありました。

でも諦めることはできませんでした。


医師から勧められたのが体外受精でした。

当時の私たちにとって、体外受精は特別な治療でした。

費用も高い。

身体への負担も大きい。

簡単に決断できるものではありませんでした。


夫婦で何度も話し合いました。

もし結果が出なかったら。

お金だけがなくなったら。

また傷つくことになったら。

いろいろ考えました。


それでも最後に思ったのは、

「後悔したくない」

という気持ちでした。

やれることをやらずに諦めたくなかった。

だから挑戦することを決めました。


採卵の日。

病院のベッドに横になりながら、とても緊張していたのを覚えています。

ここまで長かったな。

そんなことを考えていました。


治療が終わっても、すぐ結果は出ません。

受精したか。

育っているか。

無事に移植できるか。

一つひとつ結果を待つ時間が、本当に長く感じました。


そして移植の日。

小さな命をお腹の中に迎えました。

まだ妊娠したわけではありません。

それでも私は、

「どうかこの子がしがみついてくれますように」

と願っていました。


判定の日。

病院で結果を聞く瞬間は、心臓が飛び出しそうなくらい緊張しました。

何度も期待しては落胆してきたからです。


そして先生から言われました。

「妊娠していますよ」


一瞬、言葉の意味が分かりませんでした。

聞き間違いじゃないかと思いました。

そして次の瞬間、涙があふれてきました。


7年間。

不妊治療の日々。

人工授精7回。

何度も落ち込んだ日々。

全部が頭の中を駆け巡りました。


ようやく授かった命でした。

私たち夫婦がずっと待っていた命でした。


妊娠してからも不安はありました。

無事に育ってくれるだろうか。

ちゃんと生まれてきてくれるだろうか。

出産するまで安心なんてできませんでした。


でもお腹の中で少しずつ成長していく姿を見るたびに、

「本当に来てくれたんだ」

そう思いました。


あの時授かった命は、今では立派に大人になりました。

たくさん悩ませてもくれます。

心配もさせられます。

でも、それ以上に私にたくさんの幸せをくれました。


7年間の不妊治療は決して無駄ではありませんでした。

あの苦しみがあったからこそ、命の尊さを深く知ることができたのだと思います。


次回は、不妊治療でしか授からなかった私が、その後まさかの自然妊娠をした話を書こうと思います。

人生は本当に、何が起こるか分からないものです。

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