仕事帰りにスーパーに寄って、1時間ほどぐるぐると売り場を回り続けたことがあります。
カゴを持ったまま、何も入れられなくて。
なんで決められないんだろう
肉売り場に行く。豚肉を手に取る。「油もんばかり」という声が頭に浮かぶ。戻す。
魚売り場に行く。「生臭い」と言われたことを思い出す。戻す。
野菜売り場に行く。炒め物にしようかと思う。「茶色いおかずばかり」という声が浮かぶ。戻す。
どこに行っても、夫の文句が頭の中で鳴り続けていました。
何を作っても言われてきた
色味がない。緑がない。茶色いおかずばかり。油ものばかり。味付けしたものがない。早死にさせたいんか。手抜き料理。
長年かけて、いろんなことを言われてきました。
褒められた記憶より、文句を言われた記憶の方が、ずっと多い。だから「これを作ったら何か言われるかも」という気持ちが、気づかないうちに積み重なっていた。
献立が決められないのは、私のせいじゃなかった
その日、スーパーで立ち尽くしながら、ふと気づきました。
「あ、私が優柔不断なんじゃなくて、何を作っても否定されてきたから決められなくなったんだ」
料理が嫌いになったわけじゃない。献立を考えるのが苦手なわけじゃない。ただ、どれを選んでも文句を言われる経験を繰り返してきたから、選ぶことができなくなっていた。
結局その日は総菜を買って帰った
1時間悩んで、揚げ物の総菜と冷凍食品を買って帰りました。
「手抜きやな」と言われました。
もう、どうしようもないと思いました。怒りというより、疲れ。長い長い疲れ。
同じ経験をしている人へ
献立が決められない、料理に自信がない、スーパーで何を買えばいいかわからなくなる——それ、あなたがダメなんじゃないです。
誰かに否定され続けると、人は自分で選ぶことができなくなる。それくらい、言葉は人を追い詰めます。
あなたが作ってきたご飯は、ちゃんと家族を生かしてきた。それだけは本当のことです。

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